透明石鹸はいろいろな作り方がありますが、使う材料に共通点があります。石鹸、アルコール、グリセリンを入れることで石鹸の結晶を小さくして、光が通過することで石鹸を透明にします。その他、透明石鹸に入れる素材をいくつかまとめてみました。
透明石鹸では余剰油脂がでると透明感がなくなります。その為、鹸化率は100%で計算します。
フレーク状、丸い粒子状などの形状のアルカリ性素材で、水溶液にすると温度が85℃まで上がり異臭が発生します。
皮膚に付くとヒリヒリとして火傷をし、皮膚を痛めます。薬局で購入できますが、劇物指定となりますので、ご購入者住所・氏名・印鑑・使用用途(手作り石鹸)を記載する必要があります。
取扱説明書をよく読み、換気をし、ゴーグルと手袋を着用するなどの保護をしっかりとして十分に気をつけてお使いください。
《ハードオイル》
飽和脂肪酸の割合が多い、常温で固まっていることが多いオイルです。ココナッツオイル、パームカーネルオイル、ラードなどは、泡立ちのよい硬い石鹸になりますが、乾燥しやすい石鹸になりますすので、パームオイルと組み合わせるとよいでしょう。
《ソフトオイルオイル》
不飽和脂肪酸のオレイン酸などが多い、常温で液体のオイルです。透明度が落ち柔らかい石鹸になりやすいので単一脂肪酸やハードオイルと上手く組み合わせるとよいでしょう。使用感はマイルドになります。
《配合量》
オイル総重量…ハードオイル約70〜75% / ソフトオイル約25〜30%
透明石鹸を作るのに追加して使える脂肪酸は、ステアリン酸、ミリスチン酸があります。これらを入れることで石鹸に硬さと泡立ちを与えることができます。ソフトオイルを使用したいときに合わせて入れるとよいでしょう。オイル同様にアルカリの量を計算してください。
《配合量》
オイル総重量…約2〜5%
石鹸を透明にするために入れる材料の1つです。リシノール酸という脂肪酸を主成分とするソフトオイルで、入れ過ぎると柔らかく溶け崩れしやすくなりますが、使用感はマイルドになります。入れると鹸化のスピードを早めてくれます。
《配合量》
オイル総重量…約25〜30%
* キャスターオイルはソフトオイルの合計に含みます。
ほぼ二糖類のスクロース(ショ糖)で、石鹸を透明にするのに入れる材料の1つです。入れ過ぎると反対に透明度を落とし、表面がべたつくことがあります。きちんと溶かしておかないと白く結晶化することがあります。他の糖類を入れることもできるようですが透明度が落ちる場合が多いようです。
《配合量》
オイル総重量…約22〜25%
グリセリンは、ヤシ油などの植物油などから得られます。粘性がある液体で、水分を吸収する働きがあります。皮膚軟化、保湿効果を目的にした化粧品に使われます。石鹸を透明にするのに入れる材料の1つです。入れ過ぎると石鹸が汗をかきやすくなります。透明石鹸の乾燥中の縮みを少し緩和します。
《配合量》
オイル総重量…約22〜25%
石鹸を透明にするのに入れる材料の最も重要な1つです。通常、無水エタノールを使いますが、高いので消毒用エタノールに替えて使用することがあります。そうすると苛性ソーダと混ぜる水の量が減りますので、トレースで石鹸が急に硬くなってしまいます。
また、エタノールは約78℃で気化して引火することがあります。使用する時は、風通しに気をつけ通電している電化製品や火気の近くには、絶対に使用しないでください。ブレンダーやIHヒーターをご使用の方は自己責任でご判断ください。
《配合量》
オイル総重量…約30〜45%
手作り石鹸には精製水をお使いください。
水道水やミネラルウォーターには、カルシウムや鉄分、マグネシウム等のミネラル(金属イオン)が含まれています。これらの成分が石鹸を作る時の化学反応に影響し透明石鹸を曇らせます。透明石鹸を作る時の砂糖溶液では水を多く入れ過ぎないようにします。
《配合量》
オイル総重量…約15〜20%
透明石鹸の香り付けにはエッセンシャルオイル(精油)とフレグランスオイルが主に使われます。種類により、色が付いたり透明度が落ちることもあります。エタノールを飛ばしたり乾燥期間が長いことがあるので精油よりフレグランスオイルのほうが香が残りやすいかもしれません。透明度より香りを残したいのであれば精油は使用範囲内でいつもより増やしてもよさそうです。
《配合量》
オイル総重量500g…フレグランスオイル / 精油 1〜2%
* 精油は天然成分ですが作用が強い物もあります。小さなお子様、敏感肌の方は十分注意してお使いください。
リキッドタイプのカラージェルは、使いやすく簡単に混ぜることができます。手作り石鹸の色付けにお使いいただく事ができ、グリセリンソープ、リキッドシャンプー、バスソルトではパウダー状の色材より透明感がありきれいに仕上がるジェルもあります。透明感を出したいときは、当店のカラージェルのうち「にじみあり」というタイプをお使いください。また、石鹸に入れたときににじみ効果でグラデーションになるタイプと境界線がはっきりでるものがあります。
* FDAについて 「Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Serviceの略、米国食品医薬品局のことで日本の厚生労働省にあたる米国厚生省に属している。」
手作り透明石鹸にも、身の回りにあるいろいろな素材を入れる事が出来ます。ミルクパウダーを入れたもののレシピもありますが、残念ながら透明感はでません。1.3ブチレングリコール(BG)を使った抽出エキスは加えても色は付きますが透明になりそうですが、高温下ですので効能を期待するのであればCP石鹸の方がよいかと思います。。
《配合量》
オイル総重量500g…約0.5〜1%(小さじ1くらい)
商品内容や保管・使用上の注意は、あらかじめ商品詳細ページにてご確認ください。