手作り石鹸は固形だけではありません、液体石鹸も作れるのです。台所石鹸、お掃除石鹸、シャンプー、ボディソープなど、どんなリキッドソープを作るのか楽しみです。リキッドソープの素の石鹸もきれいな透明石鹸ですので、保存に工夫すればきれいな石鹸に仕上がります。色付けもグラデーションしたり、置いておくだけで素敵なボトルでクラフトソープとしても人気が高いですね。
当店のセルロースは、冷水に分散しやすいようにするためのグリオキサール(Ethanedial/glyoxal)が含まれていません。その為、あらかじめエタノールや1,8BG、グリセリンなどに分散させておく必要があります。リキッドソープを作る際にはエタノールに混ぜると作業が上手くいきます。
透明で繊細のデザインを作る際には、ベースオイルを選ぶ事から考える必要があります。出来上がりも随分違ってきますね。最初は左で作ったのですが、透明に近い右側の方が気に入ってます!
手作りリキッドソープやリキッドソープベースに追加で後からオイルを足した場合で、容器にポンプ式を使ったときに起きます。原因は成分が不均一になりオイルを抱え込む全体のバランスが崩れてしまいオイル過剰になっているからです。ポンプ容器はボトルの下部から管を通って外に液体が出ます。そのため成分がボトルの中で均一になっていないと下にたまった成分ばかりが外に吸い出されてしまい、バランスが崩れてしまうのです。そしてオイルが分離していき上に浮いてきて、それがホホバオイルやココナッツオイルなどの低温で固まるオイルであれば固まって蓋のようになってしまうのです。
ポンプ式容器に入れた他の手作り化粧品においても起こる事ですので、使用前によく振るようにてください。
透明でなくてもpHの値が問題なければ使用することができます。アルコールを使わずに作ったリキッドソープのほとんどは下記の写真の様に曇りが出ます。温度を上げれば透明になりますが、下がればもとに戻ります。また、精油やフレグランスオイルを入れた際にも曇りが出ることもあります。その時には、ポリソルベートやエタノールを入れることで透明になることがあります。リキッドソープに使うオイルがソフトオイルが多い場合にも曇りはでますが、あまり気にせずにお使いください。その他、希釈に使う水が硬水だった時、希釈しすぎた時、pH調節の酸性成分(クエン酸水、アロエベラジュースなど)を多く入れた時にも起こりえます。
こちらも透明でなくてもpHの値が問題なければ使用することができます。精油の種類や組み合わせによっては白く曇ることがありますが、問題なくお使い頂けます。下記写真は、同じリキッドソープに違う精油を入れた場合の物です。右のものは白濁しています。
このレシピでエタノールを15ml加えるだけで、かなり鹸化スピードが早まります。出来上がりも早く、リキッドソープに仕上げるのも簡単です。エタノールが気になる方は、リキッドソープの素を精製水と合わせた後、沸騰しないくらいで弱火にしばらくかけるとエタノールが蒸発します。使い分けしてみてください。
手作り石鹸の場合、オイルと苛性カリ(苛性ソーダ)の反応により100%の石鹸を作ることは難しいです。下に沈んだ遊離脂肪酸は、見た感じもきれいではありませんし、腐敗や刺激の原因になるかもしれません。冷蔵庫で2日ほど置いて上澄みを別の容器に移すか、大きめのスポイトで底の沈殿物を吸い取ってください。アルコールを使用しないリキッドソープの作り方で作った場合や飽和脂肪酸が多い時、作る工程で温度が下がってしまった時などが原因です。いつもなるようであれば103%程になるように苛性ソーダを入れることもあります。
当店のレシピのリキッドソープはホットプロセス製法で作っています。その為、アルカリが下がっていますので早く使うことができます。しかし、リキッドソープは、透明にするためにエタノールがたくさん入っています。このエタノールと水分を飛ばすために乾燥期間が長いのです。すぐに使うとわかりますが、溶けやすい石鹸ですし、エタノール臭がすごいです。
・無水エタノール(アルコール)
…… エタノールを99.5%以上含
・エタノール(アルコール)
………… エタノールを95.1〜95.6%含
・消毒用エタノール(アルコール)
… エタノールを76.9〜81.4%含
無水エタノールと消毒用エタノールは含まれるエタノールの割合が違います。消毒用エタノールは、エタノール以外は水となりますので配合量を考慮すれば使えないわけではありません。
しかし、消毒用エタノールの中には着色がされている物や名前が似ている消毒用エタノールIP(イソプロパノールやイソプルピルアルコール)というものもあります。
これらは手作りコスメにはお使いいただけません。紛らわしいので、不安な方は消毒用アルコールは使わない方がよいかもしれませんね。
水とアルコールだけでできている消毒用エタノールでしたら、リキッドソープや液体石鹸の素に使うことができます。
例えば、消毒用エタノール80%含は、エタノール80mlと水20mlです。10mlのエタノールが必要な時は、12.5mlの消毒用エタノールを入れて、その代わりに水の量を2.5ml減らす計算になります。
手作り石鹸には精製水をお使いください。水道水やミネラルウォーターには、カルシウムや鉄分、マグネシウム等のミネラル(金属イオン)が含まれています。とくにヨーロッパに多い硬水とよばれる水は、ミネラルが多く含れる為、石鹸には不向きです。日本の水道水は軟水のところが多いのですが、ミネラル分が全くないというわけではありません。
このミネラル(金属イオン)が石鹸を作る過程で金属石鹸(石鹸かす)になり、泡立ちが悪かったり洗浄力が低い石鹸になってしまうのです。水道水を使って石鹸を作ったとき、苛性ソーダとオイルを合わせて混ぜだした時に色が、薄い赤茶っぽく一瞬変色することがあります。このようにごく微量でも成分と反応し変色することがあります。
リキッドソープや液体石鹸の素を作る時に、材料としてエタノールが入ります。このエタノールとアクリルの相性がよくないので数回使うと写真の様にバリバリにクラックが入ってきます。タッパーやシリコン、プラスティック製の石鹸型を使うようにしてください。
また、アクリルモールドの中にクッキングペーパーを中敷きとして敷くと、使えなくはないのですが、絶対ではありませんので慎重になさってください。
《ホウ酸について》
ホウ酸は、毒性がありますので使用に関しては十分に気を付け、取扱説明書に記載されている2%(ホウ砂は1%以内)の使用範囲内でお使いください。ホウ酸が溶けないからといって温度を上げ溶かしても、温度が下がるとともに結晶化して現れます。リキッドソープは、常温で使うので希釈水を常温にして希釈液に完全に溶けるのを確認してご使用ください。
* 実験では飽和水溶液でしましたが実際には、ホウ酸2%の使用範囲内でお使いください。
「飽和溶液とは」
一定温度で、一定量の液体にとける物質の量には限界があり、限界まで溶質が溶けた溶液を飽和溶液という。
ホウ酸もホウ砂も使用量と使用方法を間違えないように使えばいいのですが、個人的には他に選択肢があるのでわざわざ使う必要は無いのかなぁ、と思っているので使いません。ということで、使えますが別の素材をお使いください。。
水の比重は1となりますので 1g = 1ml になります。オイルの場合は種類や気温の高低で、比重が変わってきます。その為、当店のレシピは変動のない重量の "g" 表示となっております。しかしながら販売は、容器の都合上、体積の "ml" となっております。
全てのオイルに共通するわけではありませんが、1ml = 0.9gでお考え頂き、すこし多めに材料を揃えて頂ければと思います。
例)100gのオイルが必要な時 … 100 ÷ 0.9 = 約111ml → 120mlあると安心
例)200gのオイルが必要な時 … 200 ÷ 0.9 = 約222ml → 250mlあると安心
無水エタノールの比重は約0.795となりますので 1g = 約0.795ml になります。オイル同様に気温の高低で、比重が変わってきます。販売は、体積の "ml" となっております。
消毒用アルコールはまた水が入りますので、違ってきますが、そこまで厳密でなくても大丈夫かと思います。
例) 80gの無水エタノールが必要な時 …80 ÷ 0.795 約125.7ml
例)100gの無水エタノールが必要な時 …100 ÷ 0.795 約100.6ml
商品内容や保管・使用上の注意は、あらかじめ商品詳細ページにてご確認ください。